FXでテクニカル的な根拠はないけど何故か勝ちやすいパターンとして、月曜日の窓埋めトレードが知られています。
今回はその『窓埋めトレード』は本当に優位性があるのかEA化して検証してみたいと思います。
目次
窓埋めとは
金曜日の夜市場が閉じてから、月曜日の朝に市場が開いた時のレートの乖離のことを『窓』と呼び、『窓埋め』とは、その窓が埋まるまでレートが戻った状態のことを言います。
それでは、具体的に図で説明していきます。
上画像のように、金曜日の夜市場が閉じてから、月曜日の朝の取引開始時にレートが乖離している状態のことを『窓』や『窓明け』と呼びます。
次にその窓が埋まることを『窓埋め』と言います。
この窓明け・窓埋めはFXに限らず、株や先物などでも同じ現象が見られます。
窓が発生する理由
窓が発生する理由ですが、土日に世界経済に大きく影響を及ぼすようなイベントがあれば、大きく窓が開くことがあります。
例えば、選挙、会議、要人発言、土日でも取引されている銘柄の急騰・急落などです。
これらのイレギュラーなイベントによって週明けに買い・売りどちらかに注文が殺到することでオープン価格が先週末の終値と乖離するのが理由と思われます。
『窓埋め』が注目される理由
『窓埋め』が注目されている理由は、月曜の朝に大きく開いた窓は、高い確率で窓が埋まる方向(GAPを埋める方向)にレートが動くことが多いとされているからです。
また、『窓埋めトレード』と言われるように窓埋めに特化したトレード手法等も開発されているほどです。
有名なものでは、FXではないですが、ラリーウィリアムズの『ウップス』なども窓埋めを利用したトレード戦略になります。
ちなみに、『ウップス』の戦略はヘッジファンドなどのトレードシステムでも応用されるほど有名な戦略です。
※僕も何度かシステムに採用したことがありますが、株や先物などの高ボラティリティの銘柄の方が、この戦略が嵌りやすかったです。
また、開いた窓が大きければ大きいほど獲得Pipsも比例して増えるため、特に月曜の朝は多くのFXトレーダーが注目している時間とされます。
『窓埋めトレード』をEA化して、過去10年のデータで検証してみた
検証条件
- 検証期間:2010年1月1日~2019年7月31日(約10年間)
- 月曜の寄付き時点で20Pips以上の窓が発生している
- 利益確定は窓が埋まったタイミング
- 窓明け当日に窓が埋められなかった場合は23時には決済する(翌日持ち越しなし)
- 損切り幅を100Pipsに設定する
- ナンピン・マーチンはしない(1ロットのみ)
上記の条件を主要銘柄で検証してみたのですが、興味深い結果となりました。
EAの取引画面
■下方向へ乖離(買いエントリー)
■上方向へ乖離(売りエントリー)
パラメータ設定画面
変数 | 値 | 説明 |
ロット数 | 0.1 | 取引ロット数 |
許容スプレッド | 20.0 | 許容スプレッド |
マジックナンバー | 112 | マジックナンバー |
月曜窓埋め乖離[Pips] | 20.0 | 月曜日に何Pips以上乖離したらエントリーするか |
強制決済時間[MT4時間] | 23 | (窓を埋めれなかった場合に)強制決済する時間 |
※翌日持ち越しなしの完全デイトレ型のEAです。
EURUSD
■買いのみの取引結果
検証期間 | 2010年1月1日~2019年7月31日 |
売買 | 買いのみ結果 |
取引回数 | 64回 |
勝率 | 67.19% |
PF | 1.45 |
損益 | 4,738ドル |
■売りのみの取引結果
検証期間 | 2010年1月1日~2019年7月31日 |
売買 | 売りのみ結果 |
取引回数 | 45回 |
勝率 | 80% |
PF | 3.72 |
損益 | 10,441ドル |
EURJPY
■買いのみの取引結果
検証期間 | 2010年1月1日~2019年7月31日 |
売買 | 買いのみ結果 |
取引回数 | 65回 |
勝率 | 72.31% |
PF | 1.53 |
損益 | 6353.70ドル |
■売りのみの取引結果
検証期間 | 2010年1月1日~2019年7月31日 |
売買 | 売りのみ結果 |
取引回数 | 75回 |
勝率 | 77.33% |
PF | 1.71 |
損益 | 9202.70ドル |
USDJPY
■買いのみの取引結果
検証期間 | 2010年1月1日~2019年7月31日 |
売買 | 買いのみ結果 |
取引回数 | 38回 |
勝率 | 78.95% |
PF | 2.71 |
損益 | 6,295.76ドル |
■売りのみの取引結果
検証期間 | 2010年1月1日~2019年7月31日 |
売買 | 売りのみ結果 |
取引回数 | 38回 |
勝率 | 60.53% |
PF | 0.88 |
損益 | -1,094.42ドル |
GBPUSD
■買いのみの取引結果
検証期間 | 2010年1月1日~2019年7月31日 |
売買 | 買いのみ結果 |
取引回数 | 67回 |
勝率 | 68.66% |
PF | 0.92 |
損益 | -1,312ドル |
■売りのみの取引結果
検証期間 | 2010年1月1日~2019年7月31日 |
売買 | 売りのみ結果 |
取引回数 | 51回 |
勝率 | 76.47% |
PF | 1.95 |
損益 | 6162.0ドル |
結論
銘柄によって同じ乖離幅でも、『上方向への乖離』と『下方向への乖離』で窓の埋まりやすさに違いがでるのがわかりました。
よって、実際にトレードする際は窓が埋まりやすい『銘柄』と『方向』をEAのバックテストで検証してから取引するのがいいと思います。
例えばですが、EURJPYであれば、上下どちらの方向へ乖離しても70%以上は窓を埋めているので上下どちらでも取引できます。
しかし、USDJPYは、下方向へ乖離した場合(買いエントリーの場合)は80%程度窓埋めしてるのに対して、上方向に乖離した場合(売りエントリーの場合)は、窓埋めの確率が60%程度にまで落ちていて10年分の検証でもトータルでマイナスになってしまっています。
なので、USDJPYの場合は、下方向へ乖離した場合のみ(買いエントリーのみ)取引するなど結果を確認して柔軟に取引した方が良いと思います。
また、今回検証で使用したEAですが、商材購入特典に追加させていただきました。
ご興味のある方は、当サイトで紹介している商材を購入していただくか、特典自体も販売していますので購入していただければご利用いただけます。
また、すでに特典をお持ちの方は共通特典を更新していますので、最新版をダウンロードしてください。
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